「階段を降りると、膝の内側がズキッと痛む」
「歩き始めだけ、膝の内側がピキッとする」
「正座や立ち上がりで内側が痛い」
こうした“膝の内側痛”で悩んでいる方は非常に多くいます。
病院では、
- 変形性膝関節症
- 鵞足炎(がそくえん)
- 半月板
- 加齢による軟骨摩耗
などと言われることが多いと思います。
もちろん、それ自体は間違いではありません。
実際に、膝の内側では炎症や摩耗が起きています。
しかし、現場で長年膝を見ていると、あることに気づきます。
それは、
「膝が悪い」というより、“膝へ負担が集中する身体”になっている人が非常に多い
という事実です。
膝は「被害者」であることが多い
多くの人は、
「膝が壊れたから痛い」
と思っています。
しかし実際には、
- 足首の硬さ
- 骨盤の崩れ
- 股関節の不安定性
- 歩行時のねじれ
- 荷重バランスの偏り
こうした問題が積み重なった結果、最後に“膝の内側”へストレスが集中しているケースが非常に多くあります。
つまり、
膝は原因ではなく、「最終的に負担を押しつけられた被害者」
になっていることが少なくありません。
「膝の内側が歩くと痛い」人に共通する4つの運動エラー
膝の内側が痛い人には、共通する「運動エラー」があります。
特に多いのが、
- ニーイン(膝が内側へ入る)
- 過回内(オーバープロネーション)
- 足先の外旋(ガニ股歩行)
- 足首の背屈制限(足首が曲がらない)
です。
これらが起きると、歩行時の衝撃や荷重が膝の内側へ集中します。
本来なら、
- 足首
- 股関節
- お尻
- 体幹
が分散して吸収するはずの負担を、膝だけで受け止めるようになります。
① ニーイン|膝が内側へ入り込む
非常に多いのが、この「ニーイン」です。
歩行時や階段動作で、膝が内側へ折れ込むような動きです。
特に、
- 女性
- 股関節が弱い人
- 中臀筋が働いていない人
- X脚傾向の人
に多く見られます。
この状態では、
- 内側半月板
- 内側側副靭帯
- 鵞足部
へ、“引き裂くようなストレス”が加わります。
実際、当院でも、
「階段だけ異常に内側が痛い」
という方に、股関節と歩行動作を調整すると、膝の負担感が大きく変わるケースは少なくありません。
② 過回内(オーバープロネーション)|足裏の崩れが膝をねじる
足裏が潰れ、足首が過剰に内側へ倒れ込む状態です。
扁平足傾向の方に非常に多く見られます。
足元が崩れると、すねの骨(脛骨)がねじれます。
すると、そのねじれがそのまま膝へ伝わり、膝の内側へ負担が集中します。
つまり、
「膝が悪い」のではなく、“足元の崩れ”が膝へ波及している
ケースは本当に多いのです。
③ 足先の外旋(ガニ股歩行)|実は膝へ強い回旋ストレスがかかる
つま先が外を向きすぎる歩き方です。
一見安定して見えますが、膝関節には強い回旋ストレスが加わります。
特に、足首が硬い人ほど、代償的にガニ股歩行になりやすい傾向があります。
その結果、
- 膝の内側
- 鵞足部
- 半月板
へ慢性的な牽引ストレスが加わり続けます。
<hr> ④ 足首の背屈制限|実はかなり多い「隠れ原因」
実は、かなり重要なのがここです。
膝の内側が痛い人の多くに、
「足首の硬さ」
があります。
本来、足首は歩行時の衝撃吸収装置です。
しかし、足首が曲がらないと、衝撃をうまく逃がせません。
すると身体は、膝を内側へ逃がすことで代償し始めます。
結果として、膝の内側ばかりにストレスが集中します。
実際、過去に捻挫歴がある人や、しゃがみ込みが苦手な人ほど、膝の内側痛を繰り返しているケースは非常に多く見られます。
スクリューホームムーブメントの破綻|膝の「正常ロック機構」が壊れている
膝は、単なる蝶番ではありません。
実際には、膝が伸び切る直前に、脛骨(すねの骨)がわずかに外旋する、
「スクリューホームムーブメント」
という精密なロック機構があります。
しかし、
- 足首の硬さ
- 股関節の不安定性
- 骨盤の崩れ
- 歩行異常
が起きると、この回旋運動が正常に働かなくなります。
すると膝は、
- 半ロック状態
- ねじれたままの歩行
- 内側への偏荷重
を繰り返します。
これが、膝の内側へ慢性的な摩擦ストレスを生み続けます。
実際、膝だけ治療しても改善しないケースは多い
当院でも、
- ヒアルロン酸
- 湿布
- 電気
- マッサージ
などを続けても改善しなかった方が、
- 足首
- 骨盤
- 股関節
- 歩行
を調整した瞬間、
「あれ?歩きやすい」
と変化されるケースは珍しくありません。
特に、
- 足首の背屈
- 母趾荷重
- 骨盤回旋
- 股関節外旋
が整うと、膝の内側へ集中していた圧力が抜け始めます。
つまり本当に重要なのは、
<strong>「膝が痛い」ことだけではありません。</strong>
<strong>「なぜ、その膝へ負担が集中する身体になっているのか」</strong>
そこなのです。
まとめ
膝の内側痛は、単なる加齢や軟骨摩耗だけでは説明できません。
その背景には、
- 足首の硬さ
- 骨盤の崩れ
- 股関節の不安定性
- 歩行のねじれ
- 運動連鎖の破綻
があります。
そして膝は、その“被害者”として痛みを出しているケースが非常に多い。
だからこそ、
「膝だけ」
を見続けても、改善しきれないケースがあるのです。
本当に見るべきなのは、
「どこが痛いか」
だけではありません。
「なぜ、その膝が壊れる動きを続けているのか」
そこです。







